みなさんこんにちは、田舎の精肉店肉処とよた略して『肉とよ』です🍖
から揚げをおかずにするとき、市販のから揚げ粉を付けて揚げるのも美味しいのですが、家庭毎の味を出すために、あらかじめ調味料などにつけ込んでおくこともありますよね?
つけ込む時間はまちまちではありますが、肉とよ家では晩ご飯でから揚げをするとき、早ければ朝から仕込んでいたりします。
片栗粉をまぶして揚げ上がったから揚げを食べると、噛んだ瞬間から飲み込むまでしっかりと味が続きます。
この”休ませる”という時間が大事です。
「仕込み」以外にも、揚げている最中も”休ませる”ことで、から揚げは何倍にも美味しくなります。
今回はそんな『休ませる理由』について解説していきます!
下味の調味料は衣の定着をよくする!
まずは「下味」について。
言わずもがな、から揚げの味付けの基本であります。
肉とよでもよくから揚げをつくるのですが、つけ込む調味料などはこちら。
- 塩こしょう
- 砂糖
- すりおろししょうが
- すりおろしにんにく
- ワサビ
- 醤油
- お酒
- みりん
ここからさらに、揚げたときに失われる水分(水)をあらかじめ加えます。
このときの水分の総量(醤油+お酒+みりん+水)は、鶏肉に対して約20%が理想です。
これはお肉にもみ込んだとき、すべての水分がお肉に入るかどうかギリギリの水分量であり、その状態で片栗粉や小麦粉といった粉をまぶすと、しっかりとした食感の衣として定着しやすいとされています。
またその衣は、緩衝材としても、保温材としても機能するのです。
緩衝材?保温材??
お肉を揚げるとき、衣は熱の入り方に影響を与えている、というのです。
熱に対する緩衝材の役割を果たし、温度変化がゆるやかになります。
素揚げにすると表面が乾き気味になりますが、衣をつけたお肉の表面は衣に守られてつゆつゆジューシーな仕上がりです。
加熱による水分の失われが起きないので、その違いは一目瞭然。
また、揚げたあとの余熱で火をとおす二度揚げ・三度揚げでの衣は保温材としての機能も果たします。
高温の油で揚げられた衣からジワジワと内部へと熱が伝わることで、お肉が”肉汁”という水分をしっかりと保持できるのです。
美味しいから揚げが食べたいなら‥
北海道の釧路ザンギ、新潟のカレー味のモモ肉一枚揚げ、名古屋の手羽先や大分の全国展開する名店‥
全国にある名だたるから揚げ店に共通している”揚げ方”は、ズバリ
- 最初の30秒は、衣が定着するまで決して触らない!
- 一度に入れすぎない!
①の衣の定着云々については前述のとおり。
衣が油を吸うことで表面がコーティングされ、肉汁が外に流出するのを防ぐことができます。
②は、から揚げをするのに適した温度が下がるのを防ぐため。
大量にお肉を揚げようとして油に入れると、それによって油の温度が下がってしまいます。
「油の温度が下がった→上げ直す」の間にも中でお肉が加熱されすぎてしまうため、お肉内部の温度が上がり(=水分が失われる)ボソボソとした食感になったりします。
さらにおいしく仕上げるコツとして、から揚げ専門店では衣が定着したあとに「返し」という工程をするそうです。
この「返し」といった工程により加熱が一瞬やわらぎ、なおかつお肉には余熱でゆっくりと加熱が進みます。
二度揚げ・三度揚げにも通じるところがあるのですが、から揚げの表面を一度空気に触れさせることで「食感がカリッとする」として、揚げ物のプロの方々も推奨しているんだとか。
まとめ
から揚げ専門店に限らず、業務用のフライヤーは数℃単位で温度調整が可能なので、わずか数分の”揚げる”という作業の中で、微調整を繰り返しています。
もちろんプロと家庭とでは調理機材も技術も違います。
それでも揚げ方の真似はできるし、「家庭料理」ならではの美味しくなるコツもあるはず!
少なくとも『休ませる』ことを覚えるだけで、から揚げはよりジューシーに、より美味しくなります。
どうぞみなさんも、味を休ませる・加熱を休ませるなどの工夫をして、美味しいから揚げをつくってみてください☆
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。