みなさんこんにちは、田舎の精肉店肉処とよた略して『肉とよ』です🍖
日本料理における基本調味料5種類のことを”さしすせそ”といいます。
- さ=砂糖
- し=塩
- す=酢
- せ=醤油
- そ=味噌
この順に入れることで料理がグンと美味しくなる!というのはご存じでしょうか?
”なぜ調味料を決められた順番で入れる必要があるか”
その意味を『さしすせそシリーズ』として探っていきたいと思います☆
料理人として調味料の”さしすせそ”を使いこなすには、その特徴や役割について理解しておく必要があります。
今回は、各種調味料のもつ特徴や役割について説明していきます。
さ(砂糖)
砂糖は、甘味のある調味料として焼き物や煮物などで使用される調味料です。
甘味をつけるだけでなく、親水性が高いためでん粉の老化や食品の乾燥を防ぐ役割があります。
加熱をすればツヤが出たりきれいなきつね色になったり‥食材をキレイに魅せる効果も。
てんさい糖や黒砂糖、ざらめ糖、車糖(くるまとう)など、さまざまな種類があるため、用途によって使い分ける技術が求められます。
し(塩)
塩は、味の方向性を左右する代表的な調味料です。
食べ物に対して塩味をつける効果はもちろん、他の調味料とのバランスを調整し、短所を補いながら旨味をつくることができます。
たとえばおしるこに塩を少量加えれば甘さが引き立ち、また、酢に加えれば酸味を和らげます。
他にも、塩には長期保存における「微生物の繁殖を防ぐ」という役割もあります。
なお、生活用塩には、主に海水を原料として製造する国産の塩と、輸入して加工する塩が存在します。
国産の塩は、海水から濃度の高い海水を製造し、煮詰めることで食用として販売されています。
一方で、輸入して製造する塩は、オーストラリアやメキシコから輸入し、食用にするために1度水に溶かして洗い、精製して不純物を取り除きます。
ちなみに、加工したものは再加工塩、加工していないものは原塩と呼ばれます。
なお、食用には基本的に再加工塩を使用します。
す(酢)
酢は、酢酸を主成分としており、果実や穀物などを発酵・熟成させることで、酸味をもった調味料となります。
料理に風味や変化を与え、人々の食欲を増進させるだけでなく、臭みの抑制や防腐・殺菌効果などの役割が期待できます。
酢は、主に醸造酢と合成酢に分類できます。
主に日本料理で使用されるのは、昔から製造されている醸造酢の米酢。
一方で、米やトウモロコシ、小麦など、さまざまな穀物を原料としている穀物酢は、どのような料理にも合うため消費量が非常に多いです。
せ(醤油)
醤油は、日本で成長を遂げた代表的な和風調味料です。
歴史をさかのぼれば、中国の醤(ひしお)が起源とされています。
醤は、人々が食べ物へ塩をかけて保存する過程の中で、発酵や熟成をすれば旨味をもつことを知り、それがきっかけとなって広がったもの。
現在は、大豆や脱脂大豆と小麦粉を原料としており、麹菌(こうじきん)を加えて発酵・熟成させることで醤油を作り上げています。
醤油は味や色づけ・香りづけなど、さまざまな効果をもった優れた調味料です。
そ(味噌)
味噌は、大豆から作られる代表的な発酵食品で、昔から原料や気候風土・慣習に応じて、地方独自の味噌が製造されてきました。
もとは醤油同様に中国から伝わったものですが、日本では未醤(みそ)と呼ぶ調味料があったため、これが今日の味噌誕生の大きなきっかけとなっています。
味噌は、米や大豆・麦から作られており、深みや豊かさのある風味は味噌漬や汁物・煮物など、多くの料理人から幅広く使われています。
味噌の色は淡色や赤・白に分類され、味は甘・甘口・辛口にわけられます。
なぜこれほどまでに味噌の色は異なるか‥その秘密は、味噌の処理方法と熟成期間に隠されています。
大豆を蒸して長期熟成させれば赤褐色になり、茹でて短期熟成させれば白くなります。
味噌の味の違いは、加える塩と麹の糖分の量で決まります。
どれくらいの量を使用するのかで、料理の味が大きく左右されます。
特に塩は、種類が多く、販売物によって塩味や甘味、深みが異なるため、指先で調整しながら、上手く振りかける必要があります。
味の仕上げ用の酢・醤油・味噌も上手に使いたいですね。
どれだけ高価な食材を購入し、料理で使用しても肝心の調味料の扱いを間違えていれば、素材の良さをお客さまに知っていただくことはできません。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。