みなさんこんにちは、田舎の精肉店肉処とよた略して『肉とよ』です🍖
前回、「豚肉の部位を知る」シリーズ第3弾にて、豚の副生物・内臓(ホルモン)について解説いたしました。
流通している豚の副生物 | |||
カシラ(頭肉) | ミミ(耳) | タン(舌) | ウルテ(気管) |
ノドスジ(食道) | ハツ(心臓) | レバー(肝臓) | ハラミ(横隔膜筋) |
マメ(腎臓) | ガツ(胃) | ショウチョウ(小腸) | ダイチョウ(大腸) |
テッポウ(直腸) | ハナアブラ(胃・腸周囲脂肪) | ||
チチカブ(乳房) | コブクロ(子宮) | トンソク(豚足) | テール(尾) |
今回はこの中から『一般的にも知られている10部位』について、肉とよ的に解説していきます!
豚の副生物(=内臓)
まずは、豚の内臓の簡単なおさらいからどうぞ。
- 消化管系‥胃・小腸・大腸など
- 循環器系‥レバー・心臓(ハツ)など
- 頭(カシラ)・タン
- テール・トンソク
- それ以外
‥などとおおまかに分かれています。
豚は牛と比べて体が小型なので、その分それぞれの部位の重量も小さいです。
カシラ・大腸・小腸・レバーは、いずれも1.2~1.5㎏。
その他も大きめのものでも300~500g程度です。
一般的に流通しているのはカシラやレバー、大腸・小腸・タン・ハツなど。
内臓以外の副生物として、ミミ・トンソク・テールも使われています。
色や形からくるイメージが呼び名となっていることもあり、消化管系を「白モノ・白モツ」、循環器系・頭を「赤モノ・赤モツ」と呼んでいます。
豚の「白モノ」はコラーゲンなどのたんぱく質を、「赤モノ」は各種ビタミンやミネラルを多く含んでいます。
内臓の部位紹介
豚の内臓は、コラーゲンやゼラチンが多く含まれている部位が多いため、加熱したあとの食感はやわらかく弾力があります。
そのため酒の肴に適していると言われています。
焼肉・焼きとん(=焼鳥における豚串のこと)でもおなじみになっている、代表的な部位を紹介していきます!
①カシラ(頭)
と畜の家庭で切断された頭の、コメカミ・ホホの部位の総称。
内臓というよりは肉そのものの味わいをしています。
咀嚼するときに使う筋肉のため、その肉質は弾力があり食べごたえは抜群。
コラーゲンも多く含んでいてジューシー!
②タン(舌)
舌の部分。
牛タンとおなじく、食感はコリコリしていて歯ごたえもしっかりあります。
ビタミンA・B₂、鉄、タウリンが食肉部分より多く含まれています。
焼肉から煮込み、串焼き、バター焼きなどと幅広く使用されます。
③ハツ(心臓)
心臓の部分。
筋繊維が細く密になっており、コリコリとした歯ごたえが特徴です。
「ココロ・ハート」という呼び方もあるだけに、心臓の機能強化にも役に立つビタミンB群や鉄を多く含みます。
牛ハツと比べるとたんぱくであっさりめ。
④ハラミ(横隔膜筋)
横隔膜筋の部分。
横隔膜の上部を指し、横隔膜の下部の部分は「サガリ」と呼ばれています。
食感も見た目も赤身肉と間違える人が多いです。
ビタミンB群やミネラル類などの栄養価が高いものの、脂も多いためカロリーがちょっと高め。
⑤ガツ(胃)
胃の部分。
臭みが少なく食べやすい、豚ホルモンでは定番のメニュー。
脂が少ないうえにたんぱく質も多く摂れる人気の部位です。
もつ焼きや酢の物、煮込み料理に利用されます。
⑥レバー(肝臓)
肝臓の部分。
独特の味と香りで好き嫌いが分かれるが、鉄分・ビタミンA群B群が豊富なので、とくに若い女性にオススメの部位。
血抜きして揚げ物や炒め物、ソテーなどに利用されます。
⑦ショウチョウ(小腸)
小腸の部分で、別名「ヒモ・シロ」。
小腸・⑧ダイチョウ(大腸)などの腸類は内臓の中でもとくに腐りやすい部位のため、と畜後すぐにボイルされたものが一般的に流通しています。
脂肪が多く付着しているが、ボイル段階でかなり取り除けます。
ビタミンB12、亜鉛、カルシウムを多く含んでおり、さらにカロリーも低めと至れり尽くせり!
⑧ダイチョウ(大腸)
大腸の部分。
⑦ショウチョウ(小腸)と流通の仕方、栄養価など似たり寄ったりだが、小腸よりやや太く、コシのある歯ごたえが特徴。
煮込みや串焼き、炒め物などに利用されます。
別名「シロコロ」とも呼ばれており、こちらは開かない状態(写真は開いた状態)の腸をぶつ切りにしたものです。
⑨コブクロ(子宮)
若い雌豚の子宮の部分。
やわらかいながらにコリコリとした食感で、味は比較的たんぱく。
煮込みや網焼き、和え物にしてもいいです。
⑩トンソク(豚足)
足の部分。
コラーゲンやエラスチンなどのたんぱく質を多く含む美肌の味方です。
シンプルに茹でて辛子酢味噌や酢醤油で食べたり、甘辛い煮物にするのが定番。
長時間煮るとゼラチン質に変化するので、やわらかくなって食べやすくなります。
まとめ
豚の内臓はその個体の小ささと腐りやすさから、牛の内臓に比べると、どうしても流通量が少ないのが現状です。
しかし、それを補って余るほどの栄養価の高さと美味しさに注目が集まっています。
豚の内臓を使った料理は、先にあげた「シロコロホルモン」のように、ご当地グルメ・B級グルメなどでも紹介され話題になっていますよね。
みなさんもぜひ、自分に合った「酒の肴」を探してみてください☆
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。