みなさんこんにちは、田舎の精肉店肉処とよた略して『肉とよ』です🍖
さて。
一言で「食肉」とは言ってもその種類は豊富で、日常的に食べる代表的な食肉には牛・豚・鶏があります。
昨日は子どもたちも大好き『の栄養』について肉とよ的に解説させていただきました。
今回はその続きといたしまして‥『豚肉の栄養』について詳しく解説していこうと思います!
豚肉はパワーの源
牛肉は日常生活や運動を行う際に必要な栄養を持っています。
豚肉は牛肉とよく似た成分を持つ食肉ですが、牛肉よりビタミンB₁が豊富なことが特徴です。
【豚・牛肉(100gあたり)の部位別成分表】
肩ロース 赤肉 (生) | ヒレ 赤肉 (生) | |||
豚 | 牛 | 豚 | 牛 | |
熱量(kcal) | 157 | 316 | 115 | 223 |
たんぱく質(g) | 19.7 | 16.5 | 22.8 | 19.1 |
脂質(g) | 7.8 | 26.1 | 1.9 | 15.0 |
葉酸(㎍) | 2 | 7 | 1 | 8 |
鉄(㎎) | 1.1 | 2.4 | 1.1 | 2.5 |
ビタミンB₁(㎎) | 0.72 | 0.07 | 0.98 | 0.09 |
資料:日本食肉消費総合センター「豚肉のチカラ」より引用
部位によって異なりますが、牛肉よりも5~10倍もビタミンB₁が含まれています。
ビタミンB₁はチアミンとも呼ばれている生活活性物質で、糖質などの代謝に用いられます。
日本人の主食はコメであり、その主成分は炭水化物です。
炭水化物は体内でブドウ糖に分解され、人間が活動するためのエネルギー源となります。
このブドウ糖の分解にビタミンB₁が関係してくるのです。
また、ブドウ糖は脳の働きにとっても重要なエネルギー源で、脳を使うために用いられます。
しかし、ビタミンB₁がなくてはエネルギーとなるブドウ糖を分解することはできません。
ビタミンB₁ならウナギより豚肉!
「土用の丑の日」にウナギを食べる風習があります。
夏バテを防ぐために疲労回復効果のあるウナギを食べるよう、江戸時代に平賀源内が広めた風習だといわれています。
このウナギにも先ほど紹介したビタミンB₁が豊富に含まれているため、あながち迷信ではありません。
100gあたりのビタミンB₁の含有量は、ウナギが0.75g㎎あるのに対して豚ヒレ肉には0.98㎎。
ウナギの約1.2倍もあり、ヒレ肉を100g食べるだけで1日に必要なビタミンB₁を摂取できるほどです。
【動物性食品別のビタミンB₁含有量】
食品名 | ビタミンB₁含有量(㎎/100g) |
豚ヒレ肉(生、赤肉) | 0.98 |
豚モモ肉(生、脂身つき) | 0.90 |
ウナギ(蒲焼き) | 0.75 |
豚ロース肉(生、脂身つき) | 0.69 |
豚肩肉(生、脂身つき) | 0.66 |
鶏卵(生、全卵) | 0.43 |
資料:国立健康・栄養研究所HPより引用
モモ肉などにも多く含まれますが、対してロース肉や肩肉、バラ肉などにはやや少ない傾向があります。
ビタミンB₁は筋肉のなかに含まれているため、脂肪が多い部位は含有量が少なくなるからです。
ウナギはちょっとお高め‥それに比べて豚肉は、価格的もお手軽で日常的に食卓に並べることができます。
体力の落ちやすい夏場などには、うまく献立に取り入れたいですね!
小咄「戦後の日本を支えた豚肉」
戦後の日本を立て直すためにも栄養が必要と考えた先人は、たんぱく質を安定供給することの重要性に思い至りました。
さて。
戦争に勝利した欧米人は牛肉をよく食べますが、日本人は米中心の食事です。
米に合うたんぱく質として豚肉が最適だと考えられました。
そして各地で安価に飼育できる、しかも繁殖力のある養豚業が栄えたのです。
さらに、豚肉が米との食べ合わせに良いとされる理由の1つに、先に出てきたビタミンB₁が関係してきます。
戦中に玄米(ビタミンB₁を多く含む)だった主食が戦後を迎え白米に戻ったことで、脚気という病気が懸念されました。
脚気は「ビタミンB₁欠乏症」とも呼ばれ、悪化すると神経障害による麻痺を引き起こし、最悪の場合死にも至る病気です。
そこでビタミンB₁が豊富な豚肉が大活躍!
日本の主食のマイナス面を補うという点でも、豚肉は日本人の力となったのです。
豊富に含まれる栄養素
豚肉にはビタミンB₁以外にもビタミンB₂・E、ナイアシンなどが豊富に含まれています。
【豚肉に期待できる効果・効能】
- 脂質代謝の促進
- 皮膚・粘膜の保護作用
- 二日酔いの防止
- 血行促進
また、良質なたんぱく質からはペプチド(肝機能を高めたり、コレステロールを低下させる)が作られることがわかり注目されています。
まとめ
豚肉は、戦後の日本を支えてくれた食肉なんですね。
健康な体づくりにのために、毎日の食事にぜひとも加えてみてはいかがでしょう(^^)?
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。