みなさんこんにちは、田舎の精肉店肉処とよた略して『肉とよ』です🍖
↑以前『食肉加工品について』肉とよ的に解説させていただきました。
食肉加工品には
- ハム類
- ソーセージ
- ベーコン
- 缶詰食肉製品
- 乾燥肉
などといった種類があります。
どれを見ても、ほどよい塩気とすぐに食べられる手軽さから、私たちの食卓や晩酌のおつまみには欠かせないものですよね。
ハム・ソーセージ‥と年をまたぎつつ紹介してきましたが、食肉加工品シリーズ、最後を飾るのは『乾燥肉』!
乾燥肉とは
乾燥肉といえば、そのものズバリお肉を干して長期保存が可能になったもの!
乾燥肉にする食材としては圧倒的に牛肉が多く、特に断りなく「ジャーキー」と言った場合は牛肉のジャーキー(ビーフジャーキー”beef jerky)を指すことが多いです。
もとは南米の先住民の言語の一つであるケチュア語で日干しにした食材全般を呼ぶチャルケ”charque”またはチャルキ”charqui”とされており、英語の『jerky』はこれが変化したもの。
このことから、乾燥させた食材=ジャーキーということが一般的になっています。
牛肉が使われることが多いですが、ほかにも鶏肉のササミや豚肉・馬肉・鹿肉などのジャーキーがあります。
海外ではワニやカンガルー・ダチョウなどといった珍しいお肉も利用されています。
乾燥させる工程で腐敗を防ぐためにも、いずれのお肉も脂身が少ない赤身が適しています。
日本では魚介類も乾燥させますが、たとえばスルメも海外では“イカのジャーキー”として扱われています。
ほかにも鮭を燻蒸して干した「鮭とば(北海道)」や、ツチクジラの干物である「鯨のたれ(千葉県房総半島)」なども、食品の分類としてはジャーキーの一種です。
ジャーキーの歴史
世界における肉食文化は古く、狩猟や畜産をしていたの証拠が数あります(日本では縄文時代にはすでにイノシシを飼育していたらしいですよ)。
保存食としてハムなどは紀元前(約5000年前)からあったとされていますが、”食肉加工品”としてのジャーキー・干し肉の歴史はそこまで古くなくおおよそ800年くらい。
というのも、12世紀以降の戦争や海外遠征などが盛んだったころ、お肉の長期保存 かつ 大量携帯を可能にするために
- 塩漬け
- 薫製
- 水煮
- お湯煮
をしたのち乾燥させる‥といった手法が用いられたからなんだそう。
ちなみにビーフジャーキーが商品として一般的に広く普及しだしたのは1960年代からです。
反対に、島国という地で閉鎖的だった日本では、仏教が伝来した奈良時代以降に度々出された肉食禁止令などで、明治時代の文明開化までは『日本人には肉食習慣がなくなった』などという定説があります。
‥が、禁止されると食べたくなるのが人間の性。
日常食ではないながらも、狩猟をしたり、家畜や家禽の飼育をしていたり、さまざまな理由をつけたり‥と人々はお肉を食べていました。
https://www.nikutoyo.com/meat-history%e2%91%a0/
そこから数々の郷土料理もうまれ、地方の特産品になっている例も少なくありません。
日本で干し肉を食べるなら‥
食肉加工品としても有名なもので、岡山県津山市の伝統食である「干し肉」があります。
津山では古くから肉食文化があり、農耕用の牛を食肉処理したものを購入した後、食べきれなかった部分を干して保存食として加工していました。
かつては庭先などにさお竹を2本立てて縄で結び、その縄に肉を縛り付けてつくっていたことから「さおぼし」‥それがなまって、津山では干し肉のことを「さいぼし」とも呼んでいます
以前は長持ちさせるためにしっかりと乾燥させていましたが、冷蔵技術が発達してからはその乾燥期間は1~3日と短く、やわらかいものが市場に出回っています。
ちなみに、この干し肉は生で食べることはできません。
津山市民の食べ方としては、適当な大きさにスライスしてフライパンで焼くのが一般的で、さらには焼いてからスライスしたほうがより旨いらしい説なんてものもあります。
津山市では精肉店でなくてもスーパーなどでも購入ができるそうです。
まとめ
歴史的には遠征のおともだったり、最近ではアニメなんかでも度々見かける乾燥肉。
ジャーキーはお酒のおつまみに最高ですよねぇ♡
でもただの保存食と侮ることなかれ。
乾燥させることで旨味がぎゅっと凝縮しているので、そのままはもちろん、料理に使用しても良いお出汁&食材になります。
さてさて。
調べてみると、つくり方も干すだけ!と簡単なものだし‥
せっかく空気が乾燥している今、近々肉とよ家でもつくってみたいと思います♪
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。