みなさんこんにちは、田舎の精肉店肉処とよた略して『肉とよ』です🍖
いつもはヨメが担当しているこのブログ。
今回は、肉旦那が「自営業について」をつらつらと書いてくれました!
前回の記事に続いて今回は『精肉店を開業するのにかかる費用編』を書いていきます。
前回は精肉店を開業するのにかかる工事費の話でしたが、これは物件のコンディションによるところが大きいのでケースバイケースで条件が異なると思います。
今回の記事は、工事がほぼ終了して開店するまでにかかった設備や備品の具体的な費用についてなので、精肉店を起業するなら非常に参考になるかと思います。
また、精肉店で使用している設備や機器がこんな価格の物なのか、という目線で見ていただけると幸いです。
『冷蔵設備』を一括依頼
店を1つ経営するとなると、あれやこれや、いろんなモノが必要です。
必要設備を1から自分個人で洗い出して、1つ1つ揃えていくのはかなりの手間と時間を要します。
そこで設備はペンギンマークの『ホシザキ中国株式会社』さんに一括依頼することにしました。
一括依頼することで担当者さんと打ち合わせしながら、順番に揃えていくことが可能なのと、担当者さんはいろんなケースを手掛けているので「一般的な精肉店の場合」に必要である設備を一通り認識してます。
その分、あれやこれやと提案されるので余計な買い物をしないように注意しないといけません。
ホシザキ製品でないものに関してはホシザキが一枚噛んでの納品になるので少し割高になります。
そんなデメリットを理解しながらも、とにかく時間がないから一括依頼です。
モノによっては中古品で十分といったモノもありますし、他社品との比較を全くしないので相場観がないままに割高な商品を買うことになります。
ここでは『時間や手間をお金で買った』つもりでいます。
設備・備品紹介
さて、ここから本題というか個々の設備、機器の詳細について書いていきます。
前提に書いたように割高であること、全て新品であることを考慮してみていただけると幸いです。
①プレハブ式ウォークイン冷蔵庫
幅2200奥行き2700高さ(内高2200)の歩いて入れる冷蔵庫です。
冷蔵庫内ではバットさし・ラック(値段別途)で精肉の整理を開いています。
個人店としては大きい方かと思いますが、冷蔵庫が狭くてモノをゴチャゴチャに置くのが嫌いなのでゆったりと大きめに。
それでも年末等の書き入れ時には庫内はパンパンになります。
冷却ユニットや隙間面材など込み込みで価格200万円!
②精肉対面ショーケース、セミ多段ショーケース
対面ケースとは精肉店に入るとまず100%正面にあるあのお肉が陳列されているケースのことです。
僕が使っているのは幅2400奥行き750高さ1150のモノになります。
その横にセミ多段ショーケース、いわゆるスーパーなんかで冷蔵陳列棚として使われているアレです。
冷却ユニット込みで価格200万円!
③ミートスライサー
薄切り肉や切り落としを切るスライサー。
幅1060奥行き1130高さ1450、安全機能付き。
お値段100万円!
④作業場、洗い場設備
- ワークテーブル2台
- ガスコンロ1台
- 2槽シンク
- ミートチョッパー(ミンチ機)
- テーブル形台下冷凍庫
- オーバーシェルフ
- ハンドラッパー
- キャビネットテーブル
作業に必要な設備いろいろと合わせて100万円!
⑤対面秤、卓上秤、レジ
対面秤は精肉店でお肉を注文した時に目の前で秤にお肉を乗せて重量を量るアレです。
商品名やそれぞれの単価を設定でき、値札シールが直接出てくるタイプ。
機能盛りだくさんで、秤とはいえまさに精密機械です。
卓上秤は作業している時に重量を量るためのモノ(ホームセンターで売ってるようなモノよりはちょっと良いやつ)。
レジはコンビニやスーパーにあるような立派なモノじゃなく、数字を打ち込む・日、月、年の品目ごとの合計がわかる‥くらいの簡素なレジです。
合わせて50万円!
⑥他備品
- 包丁(筋引き2本、後に出刃1本)
- 棒ヤスリ
- 砥石
- まな板
- 肉バット(浅型、深型)
- 肉芝(バットにお肉を並べるときに肉汁切りの役目もある)
- 冷蔵庫内バットさし・ラック
などなど‥精肉アイテムたち。
合わせて30万!
こんなところです。これだけ揃えたら誰でも精肉店が開業できます。
ざっと合計680万円!!
今思うとやばっ!高すぎる!って思いますが、当時はそんなこと考えるよりもどう経営していくか、他店との差別化とか小規模店の生き残り経営学みたいなことを勉強しまくって、
という意気込みでした。
開業資金、その合計!
せっかくなので開店にかかった全費用をざっと紹介しておきます。
前回記事の精肉店改装工事費400万円と設備費680万円。
それに加えて開店時のイニシャルコストとして、商品の仕入れが100万円。
簡単な広告費と袋やトレイといった消耗品などで20万円。
これでおおよそ全部です。
数字は丸めてますが、全部で、、、
サラリーマンしてて家も高級車も買ったことのない僕にとっては見たこともない数字です。
起業のために貯めていた資金では全く足らず、両親に借金しての開業です。
『金融機関で借りるよりいいだろう』とのことで両親の方から提案してくれました。
金利云々よりも金融機関に借入れの交渉をする時間が惜しかったのでものすごく感謝です。
借用書を作成し、収入印紙を貼って印鑑をついた時に「ああ、俺人生で初めての借金だ」と思ったのを覚えています。
まとめ
とまあ、こんな感じで精肉店は開業できます。
知識や情報、人脈や時間があればこんなにも資金は必要ないと思います。ズブの素人が開業したらこれくらいかかると思ってください。
このような形で改めて金額を目の当たりにすると、これだけの資金を投下して商売がうまくいかなかったらどうしよう、と不安に駆られていた当初を思い出しますね笑
6年間、よくやってこれた。
こんなところで感謝を述べるのもアレですが、この開業資金を振り返り、言わずにはおれません。
本当に皆さんの応援のおかげです。
‥以上、開業費用のお話でした!
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。