みなさんこんにちは、田舎の精肉店肉処とよた略して『肉とよ』です🍖
↑以前、餃子について本場中国の餃子を肉とよ的に説明しました。
今回は、国民食ともなっている『日本式餃子』について紐解いていきます!
日本餃子と中国餃子のちがい
日本の餃子は、日本で独自に進化(=日本化)したもので、焼き餃子が主流です。
用いる具材、調理法も中国で主流のものとは異なります。
その違いを見ていきましょう。
白菜の中国・キャベツの日本
豚肉のミンチを使用するのはどちらも一緒。
そのほかに入れる一般的な具材はこちら↓
日本 | キャベツ、ニラ、おろしニンニク・生姜(豚のほかに鶏ミンチを使うご家庭も) |
中国 | 白菜、ニラ(変わり種として牛・羊・ロバ肉、エビ、豆腐、フカヒレ、ウニ) |
明確な違いとして、ニンニクを入れるか入れないかというのがあります。
中国ではパクチーなどの香菜を使ったりもしますが、基本的にニンニク(家庭によってはニラも)は入れないとのこと。
その理由の1つとしていわれているのが、「お肉の臭みを取っていた名残」。
中国東北部(満州)では豚が育ちにくく羊肉で餃子を作ることが主流でした。
日本に餃子が伝わった当時は満州の製法で豚肉ではなく羊肉を使用しており、その際羊肉の臭みを取る為にニンニクを用いた、との説があります。
豚肉がメインで使用されるようになってからも、風味の良いニンニクが餃子とも相性がよく好まれたため、日本では今日も使用し続けているのではないか、と考えられます。
手作りの中国・市販の日本
本場中国では皮も含めて家庭で材料から作ることが多いです。
かつては日本もそうでしたが、市販の皮をスーパーマーケットなどで買って具を作って包むという方法をとる家庭が最近ではほとんどだと思います。
また、中国では餃子は主食として食べられることが一般的であり、ご飯のおとも「おかず」として食べるのは日本独特の食べ方です。
そのため日本では具を皮に包んだ状態の冷凍食品・チルド品も多くの種類が出回っています。
各種飲食店のサイドメニューとしても広く扱われていて、焼き上がった餃子や調理前の生の餃子を持ち帰り用に販売している店もあります。
茹でる中国・焼く日本
前述の通り、中国で食べられる餃子は水餃子が主流。
対して日本では焼き餃子を中心に、揚げ餃子・蒸し餃子・スープタイプの水餃子など、その調理法はさまざまです。
棒餃子(春巻きに似た形で鉄板焼きにしたもの)や鉄鍋餃子(日本で広まった鉄鍋で焼く餃子)、手羽先餃子(鶏の手羽先に具を詰めて揚げたもの)といった種類に富んだものがあります。
ちなみに、出来上がった餃子を「焼き目」の側を上にして皿に盛る、というのは日本独自の盛り方です。
中国では、餃子の「上下」はあくまで皮と皮をくっつけた側。
調理方法・食べ方
店舗で提供される餃子の作り方は、「蒸し焼き」がおもです。
- 餃子を並べ水が加える
- ふたをし蒸し焼く
- 火がとおったらふたを取る
- 水蒸気を飛ばしつつ、焼き目をしっかりつける
最近の冷凍食品では「焼く時に水を加えなくてもよい(しかも羽根つき!!)」ということをセールスポイントにするものも登場していますね。
独特の甘さがたまらないあのタレは、醤油・米酢・ラー油を混ぜたものが使われています。
家庭で食べるときは日本が誇るメーカー、ミツカンさんの味ぽんは欠かせないですよね!
ゆずや昆布などが入ったポン酢などもあり、いろいろな味を楽しめるのも良いですね♪
日本餃子の歴史
日本国内で初めて餃子を食べた人物は「水戸黄門」でおなじみの徳川光圀公とされています。
明治時代までにも餃子を出す中華料理店は存在し、料理書でも作り方は紹介されています。
しかし、「メリケン粉に包んだもの」や「焼いた豚饅頭」などという解説を付けなければならないほど、庶民には縁遠い存在でした。
大正末期頃から家庭向けの料理本でも焼き餃子が紹介されるようになり、こうした本が読めるインテリ層の一部でようやく食べられるようになってきたそうです。
日本で一般の日本人が食べるようになったのは第二次世界大戦後。
関東軍や満蒙開拓団など、満州から引き揚げてきた人たちによって広く普及するに至りました。
中国の”茹で”から日本の”焼き”になった一説に、引揚者が茹で餃子を作ろうとしたものの、鍋がなく代わりに鉄板を使ったから、というのがあります。
”焼き”の調理法での餃子が食べられるようになってからは、水(茹で)餃子ではなく、お米に合うおかずとして薄目の皮を使用した日本独特の焼き餃子へと進化していきました。
以降、大衆的な日本人向けの中華料理店やラーメン店、また餃子専門店、スーパーマーケットやデパートの惣菜コーナーなどでも広く扱われ、家庭の手軽な惣菜として定着しています。
美味しい餃子ですが、包む工程がちょっと面倒く‥いえ、時間が掛かってしまいますよね。。
そんな私たちの味方として、現在では、多数の食品会社や餃子店がチルド食品や冷凍食品として各種餃子を販売しています。
冷凍餃子のシェアでは、2012年時点で味の素冷凍食品が9年連続でシェア1位。
当時の家庭用国内シェアは47%と、圧倒的な「独り勝ち」の状態です。
イートアンド社も「羽根つき餃子」の投入と認知の拡大という方法で、市場シェアを30%を超えるまでに伸ばしています。
まとめ
日本と中国の餃子では、使われる具材や調理法のちがいがあることがわかりました。
歴史をたどると、その理由もわかりますね。
2014年の時点で、冷凍餃子市場は388億円に達しています。
日本人によって独自の進化を成し遂げた餃子は、もはや国民食と言っても良いかも知れません☆
手作り餃子しかり、手間いらずのチルド・冷凍餃子しかり。
美味しいおかずやおつまみとして、今日も愛されている餃子です♪
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。