みなさんこんにちは、田舎の精肉店肉処とよた略して『肉とよ』です🍖
美味しそうなお肉を選んで、いざ料理!‥やわらかくジューシーに仕上げるには加熱温度が重要になってきます。
ほかにも料理前のちょっとしたひと手間で、より美味しく食すことも可能です。
↑この記事のように、あらかじめお肉の筋繊維を壊したり加水することも肉とよではオススメしております。
さて。
「調味料につけ込む」というのは、ひと手間というにはあまりにも簡単な方法ではありますが、調味料によってお肉がやわらかく美味しくなることは科学的にも立証されている事実。
今回は、お肉とも相性が良いとされる調味料の『お酢とお酒』について、肉とよ的に解説していきます!
『pH値』の調整
お肉はお酢やお酒、レモン汁でマリネ(漬け汁に浸す調理法、またその料理)することによってやわらかさが増します。
これは水溶液の性質を表す『pH』という値が関わってきます。
【pH(ペーハー)値とは】
水溶液中の水素イオンの酸性・アルカリ性の度合いを示す単位。
数値の幅はpH0~14まであり、中性として7.0を基準として、それよりも高い数値はアルカリ性、低い数値は酸性といわれています。
身近なモノをわかりやすく表にまとめてみました。
pH3.0未満 | 酸性 | 酢、レモン汁 |
pH3.0~pH6.0 | 弱酸性 | 果物、酒・ジュース類、しょう油 |
pH6.0~pH8.0 | 中性 | 水道水、茶、牛乳、卵、野菜 |
pH8.0~pH11.0 | 弱アルカリ性 | 重曹、ハンドソープなどの洗剤 |
pH11.0~pH14.0 | アルカリ性 | 漂白剤 |
牛肉をはじめとした食肉のpH値は5.0~6.0程度で、お肉の保水力でいえばこのあたりがもっとも低いとされています。
この数値よりも酸性・アルカリ性でも保水力は上がります。
マリネ液によく使われる調味料でいえば
- お酢‥2.7
- レモン汁‥2.8
- ワイン‥4.0
- 日本酒‥4.2~4.7
とされています。
つまり、マリネ液で酸性の調味料に浸したお肉を調理するとpH値が下がり、保水力が上がったことでジューシーさが増すのです。
さらにpH値が低くなることで、お肉自身のたんぱく質分解酵素が活性化するという要因もあります。
煮込み料理にオススメ
煮込み料理をするときに欠かせない料理酒。
これは、米・米麹・食塩・ブドウ糖・酒精・酸味料などからなる醸造調味料です。
料理がしやすいように調整されていますが、反面、いろいろなモノが混ざっているため、先に説明したとおりpH値の調整をすることにはあまり長けていません。
よりやわらかく、よりジューシーに‥をお肉に求めるのであれば、味の邪魔をせず、効果を実感しやすい「酒類」を入れる・つけ込むなどして料理に使用することをオススメします。
もともと酒類のアルコールは、発酵することによって醸造されます。
そしてお肉は、塩麹やヨーグルトなどの「発酵製品」につけ込むことで、やわらかく、さらにはうま味とコクも引き出される‥
このことからも、お酒とお肉の相性が良いことがお分かりいただけると思います。
【お酒の種類はざっくり2つ】
- 醸造酒‥ビールのように発酵させただけの低アルコールのお酒
- 蒸留酒(スピリッツ)‥ウイスキーのように蒸留させた高アルコールのお酒
ちなみに”蒸留”とは、液体を熱することで蒸気(湯気)となって蒸発していった気体を、冷やして再び液体にすること。
※醸造酒には、ビールだけでなく、ワインや日本酒などが含まれ、基本アルコール度数は5〜15度前後、もしくはそれ以下の低いものがあり、蒸留酒はウイスキーの他にも、焼酎やウォッカ、ジンやブランデー、テキーラなど度数40度を超えるようなお酒が含まれます。
基本的に発酵させただけの醸造酒は、度数が低い分、原料の風味が残りやすい傾向にあります。
お酒全体で見ると、醸造酒のほうがお肉がやわらかくなる傾向が高く、さらには原料の風味が残りやすい特徴から味わいに深みも加わります。
肉とよ家でも煮込み料理に各醸造酒をいろいろと試してみましたが、
- ビール→よりやわらか
- 日本酒→まろやかなコク
- 赤ワイン→酸味+渋み
- 白ワイン→しっかりとした酸味
といった仕上がりになりました。
カレーやシチュー、ブロック肉を使用した角煮などなど‥さまざまな煮込み料理があるなか、「どんな料理の味付けの邪魔にならない」「やわらか・ジューシーになる効果が安定している」のは日本酒でした。
一括りにお酒といっても、種類や銘柄によって効果に差が出てきます。
まとめ
お酢などの酸性の調味料でpH値の調整をすることで、よりやわらかくジューシーに。
お酒などの「発酵されたもの」を料理に使用することで、より味わい深く。
お肉を美味しくする方法として、お酢やお酒をオススメする!といった記事でした。
お肉料理の美味しさは”やわらかさ”だけではありません。
好みは人それぞれありますが、美味しくなるとわかっていて試さない手はありませんよね!
今回の記事を参考程度に、みなさんもぜひお肉をもっと美味しくする方法を探してみてくださいませ☆
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。