みなさんこんにちは、田舎の精肉店肉処とよた略して『肉とよ』です🍖
お肉を焼くときの失敗あるあるですよね‥(泣)
↑こちらは以前ご紹介した『お肉を美味しく食べるには』の記事です。
お肉がかたくパサついてしまうのには、大きく2つの理由があります。
- 加熱に伴い、お肉の組織が収縮してかたくなってしまう
- その収縮によってお肉から水分や脂脂が失われてしまう
こうした問題を解決する方法はいくつかあります。
今回はその中からちょっとの手間でできる『簡単な方法』をご案内いたします!
もとより壊す!
「加熱に伴い、お肉の組織が収縮してかたくなる」‥
それならあらかじめ組織を物理的に壊してしまいましょう!
そもそもお肉のかたさは、肉に含まれる繊維質による部分が大きいです。
それすなわち、繊維を断ちきればお肉はやわらかくなる、ということ。
包丁や筋切り器などでスジを切ったり、ミートハンマーでたたいたり‥
筋肉の繊維や筋膜などを細かく破砕することで、お肉はやわらかくなります。
ここで注意したいポイントは『裏側までスジをしっかりと断ち切る』こと!
トンカツを作るとき、片面にだけ包丁を入れて反対側に反り返っちゃった、なんてことがありませんか?
これはお肉にはどこにでもスジが入っているよという良い例。
また、ミートハンマーがなくても、ある程度の重さがあるもの‥お酒の空瓶なども肉たたきとして使用できます。
ちなみにお肉はたたくほどに大きく・やわらかくなりますが、その分薄くなってしまいますので、適度な加減を見極めてください。
「やわらかい噛みごたえで知られている和牛」を販売している肉とよでも、「ジャガード」という筋切り器をたまーーーに使うことがあります。
夏のBBQシーズンに出番があるこのジャガード。
といった、お客さまからのニーズに応えるとき‥の”たまーーーに”です。
和牛はもともとやわらかくジューシーな牛肉として品種改良された牛ですが、「いっぱい食べたい」や「大人数ゆえの低予算希望」のお客さまには合いません。
そんなときに、お客さまにも確認した上で、和牛よりも低価格な『国産牛』いわゆる交雑種やホルスタイン種に、ジャガードで筋切りを施して販売させていただいております。
『加水』という裏技
「お肉から水分や脂が失われる」‥
それならあらかじめ水分を加えてしまいましょう!
失われるであろう水分を加熱する前に加えておくことで、「美味しいお肉」に必要な、”やわらかさ”や”ジューシーさ”、さらには”舌ざわりの良さ”も確保できます。
ちなみに『加水』とはいいますが、何も”水”にこだわることはないです。
『保水作用が期待できるモノ』が良いとされているので、調味料などでもその効果を十分発揮しますよ。
塩 | 筋繊維に含まれるたんぱく質の成分が網目構造を形成することにより、お肉そのもの保水力が上がり、キメ細かさを感じられるようになる |
砂糖 | たんぱく質(コラーゲン)と水分を結びつけ、お肉をやわらかくするうえに、抱え込んだ水分を離さない |
溶き卵 | 水を抱える力が強い(例:出汁をたっぷり加えたふわっふわの茶碗蒸し) |
※ヨーグルトや麹などの発酵食品につけ込んでもOK!お肉がやわらかくなり、さらにうま味もアップします。 |
もっと簡単にいえば、調味料につけて一晩寝かせるだけで保水力は高まります。
まとめ
筋繊維が収縮してかたくなる‥
→先に壊しておく!
水分が逃げてジューシーさがなくなる‥
→加水や調味料につけ込んで保水効果を高めておく!
お肉にやわらかさやジューシーさを求めるのならば、いわれてみればたしかに‥な感じではありますが、実際に加水するとなるとちょっと抵抗がありますよね。
でも、騙されたと思ってハンバーグや餃子用の餡に水を混ぜ込んでみてください。
もしお肉に水を加えることに抵抗がある方は、まずは玉子焼きとかに混ぜて確かめてみても良いかもしれません。
何ごとにも恐れずに挑戦することで、より『美味しいお肉』に出会えます!
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。