みなさんこんにちは、田舎の精肉店肉処とよた略して『肉とよ』です🍖
餃子は、調理の方法しかり肉だねしかり‥さまざまな楽しみ方があります。
今回は豚肉料理シリーズとしまして、みんな大好き『餃子』、そのうちの本場中国式餃子について肉とよ的に解説していきます!
餃子とは
まずは餃子についておおまかにおさらいしていきましょう☆
餃子は、小麦粉を原料とした皮で肉・エビ・野菜などで作った餡(肉だね)を包み、茹でる・焼く・蒸す・揚げるなどの調理をした食べ物です。
それぞれの調理法で
- 茹でる‥『水餃子・茹で餃子』
- 焼く‥『焼き餃子』
- 蒸す‥『蒸し餃子』
- 揚げる『揚げ餃子』
などと呼び方が変わります。
その歴史は古く、中国の春秋時代の紀元前6世紀頃に誕生したとされています。
当時の遺跡から、餃子が食べられていた痕跡も見つかっています。
中国式餃子
日本では「ギョーザ・ギョウザ」と親しまれていますが、中国においては、標準中国語の発音で「ジャオズ・チャオズ」と呼ばれます
肉だねとしては、中国では豚肉や白菜を使った一般的なものの他に、たとえば下記の様な具が用いられます。
- ニラ
- 香菜
- 椎茸
- 牛肉
- 羊肉
- ロバ肉
- サワラ
- エビ
- ふかひれ
- 豆腐
- ウニ
具材は地域によって大きく異なります。
ただ、具としてニンニクを入れる習慣はありません。
ニンニク的役割を果たすものにニラがあるが、こちらも必ずしも入るわけではないんだとか。
店によっては生のニンニク片が卓上に置かれており、食べる者の好みにより生ニンニクをかじりつつ食したりします。
縁起物としても!
餃子は清代の銀子の形に似ていることや、その発音が交子(子を授かること)と同じであることにより、中国では縁起の良い食べ物としても珍重されています。
また「交」には「続く、末永し」という意味もあり、長寿を願いながら春節や大晦日には年越し餃子を食べます。
皇帝も王朝と社稷の永続を祈願し、春節のときだけ餃子を食したといいます。
元旦にも豊作を神霊に祈りつつ餃子が食される地域があり、儀礼食としても定着しています。
地域によっては婚礼や法要時にも食され、婚礼時には半月型の餃子を茹でて食されることが多いです。
中国では水餃子が主流
中国では基本的に水餃子(茹でて湯切りをしたもの)が主流です。
朝食・昼食用につくられ、余った餃子はあとで夕飯や翌日に調理し、その際どの家庭でも今度は必ず焼き餃子にするんだそう。
また、中国では餃子は主食として食べられることが一般的であり、日本のようにご飯のおとも「おかず」としては食べられません。
このためか、水餃子の日にはどの家庭もわざときわめて多数の餃子を包みます。
白飯も他の中華料理も準備せず、用意するのは餃子のみ。
前述したとおり
- 準備した餃子ははじめは水餃子にする。
- 300個は完食できないので、余った餃子は、翌日、必ず焼き餃子にしてたべる。
つまり、日本で一般的な焼き餃子は多くの中国人にとって余った餃子の食べ方なのです。
とくに中国東北部(満洲)では水餃子がよく食べられます。
満洲民族による清朝成立後に広く華北一帯に普及し、中華料理の代表的な料理の一つになりました。
それとは別に華南では点心として食べられる蒸し餃子があります。
中国で焼き餃子が主流ではない理由として、丸底の中華鍋が一般的であり、満州発祥の平底の鍋が普及しなかったからという理由も考えられます。
とはいえ、最近では中国でも焼き餃子専門の店が増えてきているんだとか。
中国式餃子の種類
ここでは中国で食べられている餃子の種類について説明していきます。
主食としての水餃子
中国の華北の餃子は主食として一度に沢山食べられ、皮は厚目にしてお湯で茹で、湯面に浮いてきたものをザルに上げ、湯切りをして食べる水餃子が主流です。
日本では水餃子はスープ餃子を指しますが、中国では水餃子といえば茹で餃子のことを指します。
肉だねに冷まして固体にした牛脂を入れる場合がありますが、これが熱でとろけて何ともジューシー!
焼き餃子
「鍋貼(グオティエ)」と呼ばれる、焼いた餃子もあります。
とくに台湾では鍋貼のチェーン店が全国に多数展開され、その他に朝食を売る店や屋台でもメニューとして置かれており、主流の水餃子に次いで非常に人気です。
大きくわけて2つのタイプがあり、
- 皮が薄く長細いもの(日本でいう”棒餃子”)
- 水餃子と同じく、丸い形状のもの
などを鍋貼と称します。
また、「煎餃(ジャンジャオ)」と呼ばれる、主にスナック菓子感覚で食べられる小ぶりで日本の餃子のように皮が薄い焼き餃子もあります。
こちらは日本の焼き餃子と同じく蒸し焼きし、水を使用した調理法でつくられます。
煎餃自体が焼き餃子の意味になり、水餃子の再利用した焼き餃子はむしろこちらで呼ばれます。
蒸し餃子・揚げ餃子
点心の一種として、蒸し餃子も良く見かけられます。
中国で点心として食べられる蒸し餃子には皮や具や形に工夫を凝らし、皮に小麦粉ではなく米粉を使うなど様々なバリエーションが存在します。
形を変えた変わり餃子や、加熱の仕方や具の異なる餃子、広東省を中心とした華南ではエビを主材料とした蝦餃(エビ蒸し餃子)などが食されています。
日式餃子
最近では皮が薄い日本風の餃子を「日式餃子」と称して出す店もあります。
ただ、中国で餃子というとあくまで水餃子であり、皮が薄い日式餃子や、餃子と一緒にチャーハンやから揚げを食べる日本風の食べ方は全く受け入れられていません。
なので、主に日本人が多い地域の日本料理店で、”日本料理”として出されます。
まとめ
中国では主食として食べられている餃子は、基本は茹でるタイプの水餃子が主流。
蒸し餃子や揚げ餃子、そして”残ったから”の焼き餃子‥
調理法は数あれど、そこまで奇をてらった具材を使わないところに、中国4000年の歴史を感じます。
日本との違いを楽しみつつ、中国式餃子に舌鼓をしたいですね☆
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。