みなさんこんにちは、田舎の精肉店肉処とよた略して『肉とよ』です🍖
鶏肉は、お財布にも優しい価格で、しかも牛肉や豚肉に比べてカロリーが低い健康食としてみなさんに食べられている食肉です。
ヘルシー志向が高まっている現代では特にその需要も多く、日本人が年間に食べるお肉のうち、鶏肉が占める割合は約40%となっております。
今回は、私たちの食生活に欠かせない、そんな鶏の種類とその品種のちがいについて解説していきます!
鶏の種類
他にカモ・アヒルなどどいった鳥類も食べられていますが、食肉として一般的に飼育されているのはニワトリです。
肉とよ的にも『鶏肉といえばニワトリ!』として解説させていただきますね。
鶏は、その目的によって大きく3種類に分けられ飼育されてます。
- 採卵鶏‥卵をとるための鶏
- 肉用鶏‥肉をとるための鶏
- 卵肉兼用品種‥どちらにも使われる鶏
採卵鶏は、採卵用に飼育された商業鶏を指します。
採卵に特化した品種改変が行われているため、肉用にはむいていません。
そのため産卵をはじめて約1年が経過し休産期に入った採卵鶏は屠殺され、チキンスープのだしやペットフード・肥料などに利用されます。
肉用鶏として日本で飼育されているのは『ブロイラー』と呼ばれる若鶏が主で、それ以外は『国産銘柄鶏』というふうに分かれています。
国産銘柄鶏は、さらに『地鶏』と『銘柄鶏』とに分類されます。
卵肉兼用品種は、育種・改良により産卵性と産肉性ともに優れた鶏のことを指し、その味は肉用鶏に劣らない能力を持っています。
肉用鶏に比べて産卵数が多いことから、最近では若鶏ブロイラー生産のための一代雑種作成の雌系統に利用されることが多くなり、兼用種として卵や肉生産の目的で飼育されることは少くなっています。
このように、目的別にいろいろな飼育・改良がなされてきました。
次は肉用鶏のについて解説!
肉用鶏の種類とちがい
市場に出回る肉用鶏には、先で紹介したとおり、大部分を占めるブロイラーと国産銘柄鶏との2種類があります。
国産銘柄鶏はさらに地鶏と銘柄鶏に分けられます。
それでは、それぞれのちがいについて詳しく解説していきましょう!
ブロイラー
まず最初に小咄。
アメリカで養鶏がはじまった19世紀末に、飼育した大きさによって、その調理に適した料理の仕方で分類していました。
ブロイラーは、もともとは『小型で炙り焼きに適した若どり』という意味でした。
- 大型‥ロースター(roaster=蒸し焼き)
- 中型‥フライヤー(flyer=揚げ)
- 小型‥ブロイラー(broiler=炙り焼き)
現在では、約3ヶ月未満ほど肥育、のちに出荷される若どりすべての総称として使われています。
一般的に、白色コーニッシュ種のオスと白色プリマスロック種のメスをかけ合わせたものが、ブロイラー専用種とされています。
ブロイラーは早く成長するように改良がすすめられた食肉であり、成長に必要な飼料も牛や豚に比べるとかなり少量ですみます。
さらに、飼育しやすく繁殖力も高い!
専門の料理店をのぞき、日本で食べられている鶏肉のほとんどがこのブロイラーであるため、鶏肉の価格は安く抑えられているのです。
地鶏
- 在来種の純系もしくは在来種の地が50%以上入っていること
- 飼育期間が80日以上であり、28日齢以降は平飼いもしくは1㎡につき10羽以内で飼育された鶏
※平飼い‥鶏舎内、又は屋外において、鶏が地面で自由に運動ができる飼い方
地鶏には、以上のような条件がJASにより義務付けられています。
注意したいのは、地面で育てられた鶏や地元の鶏‥などの意味ではないということ。
明治時代までに国内で成立・導入され定着した品種である在来種。
それを素にし、決められた飼育をされた鶏が地鶏なのです。
日本の在来種 (38種類) | |||
会津地鶏 | 伊勢地鶏 | 岩手地鶏 | インギー鶏 |
烏骨鶏 | 鶉矮鶏 | ウタイチャーン | エーコク |
横斑プリマスロック | 沖縄髯地鶏 | 尾長鶏 | 河内奴鶏 |
雁鶏 | 岐阜地鶏 | 熊本種 | 久連子鶏 |
黒柏鶏 | コーチン | 声良鶏 | 薩摩鶏 |
佐渡髯地鶏 | 地頭鶏 | 芝鶏 | 軍鶏 |
小国鶏 | 矮鶏 | 東天紅鶏 | 蜀鶏 |
土佐九斤 | 土佐地鶏 | 対馬地鶏 | 名古屋種 |
比内鶏 | 三河種 | 蓑曳矮鶏 | 蓑曳鶏 |
宮地鶏 | ロードアイランドレッド |
※〇〇は天然記念物
地鶏は、ブロイラーに比べて肉に歯ごたえやコクがあります。
日本各地でも、それぞれの地鶏種を活用した特産鶏の生産が活発に行われています。
「地鶏の方が美味しい」と評価する人も多いのですが、成長が遅いことにより生産コストが高くなってしまうため、販売価格もちょっと割高となっています。
銘柄鶏
銘柄鶏は、飼料や環境など工夫を加えて飼育されたことにより、一般的なブロイラーよりも味や風味など改良してある鶏のことです。
親の鶏種の羽色により分けられ、褐色系の「赤系」と通常の若鶏「ブロイラー(若どり系)」とがあります。
赤系‥シェーバーレッドブロ種、赤色コーニッシュ種、赤色プリマスロック種、プレノアール種など
若どり系‥白色コーニッシュ種、白色プリマスロック種など
地鶏のようなJASによる定義はありません。
しかしこちらも、通常の飼育方法(飼料や出荷日齢など)と、異なる工夫を加えた内容を明示することが義務付けられています。
銘柄鶏は、全国各地にいろいろな種類があり、頭に地方名や都道府県名を冠している「〇〇地どり」「〇〇赤どり」「〇〇どり」「〇〇シャモ」といった名称が多いです。
農林水産省食鳥流通統計調査及び弊社発行「国産銘柄鳥ガイドマップ」より概算された、全国食鳥出荷羽数構成比(平成23年)です。
若どり(ブロイラー)系がほとんどを占めていることがわかります。
画像は日本食鳥協会さんより引用
日本三大地鶏として有名な『名古屋コーチン・さつま地鶏・比内地鶏』があります。
その説明はこちらで詳しく解説しています。
まとめ
農林水産省の食料需給量によると、鶏肉の自給率は約60%となっています。
増えていく需要に国内生産が追いつかず、不足分をブラジルなどからの輸入鶏でカバーしているのが現状ではありますが、それでも日本では様々な銘柄の鶏肉が特産品として飼育されています。
旅行の醍醐味に、訪れた場所での食事が楽しみの1つとしてあります。
↑↑↑日本食鳥協会による『全国地鶏銘柄鶏ガイド』に詳しく載っています。
地方ならではのさまざまな銘柄鶏を、ぜひとも味わってくださいませ♪
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。