みなさんこんにちは、田舎の精肉店肉処とよた略して『肉とよ』です🍖
たんぱくな味ながら、調理次第でどんな料理にも応用が利く鶏肉は、その安さからもお財布の味方ですね。
今回は、鶏肉の部位を知るシリーズ第1段『部分肉の基本』について説明していきます!
部位に分ける『精肉』
まずはじめに‥
日本で食されている家禽類にはニワトリ・カモ・キジなどいろいろとありますが、「鶏肉といえばニワトリの肉」と一般的に知られていますので、肉とよ的にもこの記事で紹介する「鶏肉」は「ニワトリについて」とさせていただきます。
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↑これらは、以前ご紹介した牛肉・豚肉の部分肉の記事です。
牛肉や豚肉のように、鶏肉も私たちの食卓に上がるまでには、「生産→と畜→流通」の3つを介します。
肥育農家などで『生産』された家畜が、『と畜』の際に枝肉から価格の基準の設定が行われ、販売業者(卸売・小売)や料理店などで『流通』した各部位のお肉がみなさんに『消費』されます。
牛・豚はこの「と畜」の際の枝肉(=頭部や皮・内臓などを取り除き、左右2分割にした骨付き肉のこと)の状態時に格付けがなされ、そこからさらにパーツごとに分けられ卸売業者によって流通されます。
一方、その個体が小さい鶏は枝肉の状態にはされず、おおまかに『生肉と骨・内臓などの副産物』に分けられます。
この生肉をパーツごとに分けたものが、鶏肉でいう『精肉』に当たります。
食品の表示では、鶏肉は一般的にもも肉・むね肉・手羽(手羽もと、手羽中、手羽先)のほか、分類上は内臓に区分されているささみ・かわの5つの部位に分かれています。
それぞれを2㎏ごとに袋詰めしたものが、小売店や料理店などに卸されます。
ちなみに日本国内で流通量が多いのは、鶏肉→豚肉→牛肉の順。
食肉需給表(農林水産省)によると、2018(平成30)年度の肉類の1人当り年間供給量(概算値)は33.5㎏で、内訳は鶏肉13.8㎏、豚肉12.9㎏、牛肉6.5㎏+その他 となっています。
部分肉
それでは鶏の部分肉について詳しく説明していきましょう。
鶏は基本的な生体重量(=出荷されるときの体重)が、個体によって差がありますが、約2.6㎏となっています。
ここから食肉として卸されるのは約50%の生肉部分。
もも肉・むね肉が各400~600g、手羽(もと・中・先)が合わせて50~60g、ささみ+かわが40g強といったところです。
焼鳥でおなじみの以下の部位やガラについては、部分肉ではなく『副産物=内臓』として扱われています。
流通している鶏の副産物 | |||
セセリ(首) | ハツ(心臓) | レバー(肝臓) | 砂肝(筋胃) |
軟骨 | ぼんじり(尾についた肉) | モミジ(脚) | |
キンカン(体内で成長する途中の卵、採卵鶏の卵巣) | ガラ(首から腰までの骨) |
「鶏肉」が美味しい理由
美味しい鶏肉料理として、代表的なものに「フライドチキン」があります。
鶏肉に小麦粉などからつくった衣をまぶして揚げた『から揚げ』のことです。
1970(昭和45)年にケンタッキーフライドチキンが日本に進出し、その後徐々に全国的に広まっていきました。
現在では、各種コンビニやファーストフード店でも独自のフライドチキンが展開されて、手軽に食べられる日常的な鶏肉料理ですね。
衣の調味料による味付け・鶏肉特有のやわらかい肉質‥などが、フライドチキンの美味しさの要素としてあげられています。
これに加えて、加熱による鶏肉の「香り」というのも要因の1つとしてあります。
食肉には、それぞれ独特の匂いや血液臭などがありますが、こと鶏肉に関しては、とくにこの臭みが「ヒト」から好まれる匂いとして識別されるといわれています。
『さまざまな畜肉から調整したスープの匂いを識別する実験でも、鶏肉のささみの匂いを識別できる人が多い』という実験報告もあります(公益社団法人 日本栄養・食糧学会による機関誌「日本栄養・食糧学会誌(vol.59、2006年)」より)。
「臭み」というとなんとなく印象が悪いですが、加熱することで加熱香気(いわゆる食欲をそそる匂い)が生成されます。
私たちが食事とするときは「味覚・視覚・触覚・聴覚・臭覚」の5感をフルに使って楽しみますよね?
この「臭覚」がほかの食品よりヒトに合っていることが、鶏肉をよりお美味しく感じる理由の1つであると考えられています。
まとめ
もも肉はジューシー、むね肉はパサパサ、砂肝はコリコリ、かわはぷるぷる‥
鶏肉は、部分肉・内臓の肉質がそれぞれ違うので、その好みも十人十色。
また、各農家で大量飼育されるため、購入価格も安いことが魅力の1つです。
まさに、私たちの毎日の食卓に「色」を添えてくれる食肉ですね。
詳しい部分肉・内臓の説明については、また別記事でご紹介します☆
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。