みなさんこんにちは、田舎の精肉店肉処とよた略して『肉とよ』です🍖
↑前回の記事で『部分肉の基本』について説明しました。
農林水産省が定める「牛部分肉取引規格」では、牛肉は大まかに13部位に分けられています。
ネック・かたロース・かた・リブロース・サーロイン・ヒレ・かたばら・ともばら・うちもも・しんたま・そともも・らんいち・すね(部位名表記は同規格によります)の13部位です。
今回は、その『13部位』それぞれの解説をしていきます!
牛肉最高!
まずはじめに。
今回のそれぞれの説明に添えられた写真ですが、一部を牛肉の通信販売をされている「ゼンカイミート」さんのHPより引用させていただいております。
↓気になる方はこちらをチェック♡
ネック
首の部分。
運動量が多いので、肉質としては硬くきめも粗いです。
赤身が多く脂肪分が少ないため、挽き肉にするのに適しています。
また味が濃くゼラチン質も含んでいるので、カレーやシチューなどの煮込み料理にも向いています。
かたロース
背中の筋肉部分のうち、首から肩にかけたロースの部分。
ややスジが多いのですが、脂肪(サシ)が適度に入っており風味がよく、やわらかいのが特徴。
薄切りして炒め物・すき焼き・しゃぶしゃぶにするもよし、焼肉で食べてもよし、スジ切りしてステーキにしてもよし‥と、用途を選ばない部位です。
ちなみに「ロース」は和製英語。
かた
腕の部分。
運動量の多い部位なので、スジや膜が多く肉質は硬く肉色も濃いです。
その分うま味成分を多く含み、味は濃厚。
薄切りやこま切れ、挽き肉にして使用するほか、ゼラチン質が多いので、角切りにしてシチューやカレーなどの煮込み料理やスープにすると良い味が出ます。
みすじ、とうがらし、さんかく、まくらなど細分化した名称があります。
リブロース
背部の肉で、かたロースから続く部分。
「リブ(Rib)」には肋骨・あばらという意味があります。
いちばん厚みのあるロース部分で、霜降りになりやすい部位です。
スジが少なく、肉質が優れているため、肉そのものを味わうローストビーフやステーキに適しています。
サーロイン
リブロースから続く背の部分。
言わずと知れた牛肉を代表する部位の1つです。
サシがしっかりと入っており、肉質はきめが細かくやわらかく、風味も最高。
ステーキに最適ですが、しゃぶしゃぶやローストビーフなどといろいろ楽しめます。
ヒレ
サーロインの内側にある、腰椎に沿った腹側の細長い肉。
牛1頭から、その重量の約3%しかとれないという希少部位です。
運動をほとんどしない場所の肉のため、きめが細かくてやわらかく、肉質としても非常に優れています。
脂肪が少ないので、牛肉の中では比較的ヘルシー。
ステーキやビーフカツなどの焼き物や揚げ物にするとよいとされています。
かたばら・ともばら
肋骨の腹側の部分。
胸に近い肉厚の部分が「かたばら」、腹に近い肉薄の部分が「ともばら」と呼ばれています。
「ばら」の名称は「あばら」が語源です。
赤身と脂肪が層になり、きめは粗く、ネックやすねに次ぐ硬めの肉質。
しかし味は濃厚で脂肪にも旨味があるため、角切りにしてこってり味に煮込んだり、こま切れにして肉じゃがや牛丼などにしても美味しいです。
うちもも・しんたま
大腿の部分、「もも」の内側に位置する肉。
大きなかたまりの赤身肉で、牛肉の部位の中では最も脂肪が少ない部位です。
肉質はややきめが粗く硬めではありますが、そとももよりはやわらかいです。
ステーキなど大きな切り身で使う料理や焼き肉・ローストビーフ・煮込みにも適しています。
また、「もも」はうちももと『しんたま』に分けられます。
しんたまも赤身のかたまりで、周囲はやや硬めですが、「しん芯」という部分はきめが細かくやわらかいのが特徴です。
ほかに比べると脂肪が少ない部位で、ローストビーフや焼き肉、カツなどに向いています。
そともも
大腿の部分、「もも」の外側に位置する肉。
もっとも運動量の多い部位であるため、うちもも・しんたまに比べると、きめがやや粗く硬めです。
大きなかたまりなので、ローストや煮込みに利用されます。
繊維に直角に切ると食べやすくなりので、薄切り・細切りにして炒め物にしても美味しいです。
らんいち
サーロインに続く、腰から尻にかけての部分「ランプ」と、その上側の「いちぼ」を含む部位の名称。
牛肉のももの中では1番やわらかく、風味が優れています。
ランプステーキだったり、ブロックのままローストビーフ・タタキにも向いていたりと、ほとんどの料理に利用できる部位です。
すね
脚の部分
前脚を「まえずね」、後ろ脚を「ともずね」とそれぞれ呼ばれています。
スジが多く、肉質は硬めで、ゼラチン質を多く含みます。
長時間煮込むと、コラーゲンがゼラチン化して崩れるほどやわらかくなるので、シチュー、ポトフなどに最適!
だし、スープをとるのにも適しており、フランス料理ではコンソメをとるのにも欠かせない部位です。
まとめ
ほかの食肉に比べて牛肉は、その脂肪の風味・旨味・味の濃さに定評があります。
煮る、焼く、炒める‥
部位によっていろいろな調理の仕方がありますが、総じていえることは『美味しい』!
それぞれの部位にあった料理で、ぜひみなさんも素敵な食卓をお囲みください☆
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。