みなさんこんにちは、田舎の精肉店肉処とよた略して『肉とよ』です🍖
スーパーマーケットなどの小売店で牛肉のパッケージには『和牛』『交雑種』などと表記されているのを見たことはありませんか?
国内で生産・流通している食肉牛には
- 和牛
- 乳用種
- 交雑種
- 外国産(肉専用種)
‥の4種類があります。
このうち、スーパーや精肉店で安価に販売されている牛肉は、輸入肉以外でいうとほぼ「国産牛」ということになり、このほとんどは乳用種と交雑種とで占められています。
今回の記事ではこの2種類についてちょっと深掘りしていこうと思います。
乳用種のお肉利用
乳用種の大半は白黒のホルスタイン種です。
そんな乳用種には大きく分けて2種類があります。
- 出産を繰り返して乳牛としての生産力が落ちてきた経産牛
- 乳牛の子牛のうちオスを去勢して食肉用に肥育した牛
ホルスタイン種・ジャージー種などの乳牛は牛乳の生産が本来の役目であり、牛乳を出すために一生のうちに10回ほど出産を行い、そのたび300日程度搾乳されます。
こうして出産を繰り返し、乳牛としての生産性が落ちてきた経産牛は、廃乳牛として食肉用に出荷されます。
これらの牛はどうしても肉質が低くなってしまうので、大半はひき肉などになります。
一方で、乳用として必要とされるのは乳を出すメスだけなので、産まれてきた牛がオスの場合は、一部の優れた血統以外はあらかじめ去勢され肉用として肥育(=状態の良いお肉や脂肪をつけさせる育成方法)されます。
去勢を行うことで飼育がしやすくなり、またお肉に獣臭がつかなくなり肉質の向上が見込まれるのです。
その後20ヶ月ほど肥育して、あるいは子牛牛への需要から20週ほど育成して出荷します。
こちらももともとが肉用種ではないため、脂肪が少なく肉質もやや固いのが特徴です。
交雑種がつくられるわけ
乳用牛が牛乳をだすためには出産が不可欠ですが、産まれてくる子牛をより高く取り引きするために、肉質の向上を求めて乳用種のメスに和牛のオスを交配させます。
これで産まれてきた子牛が、いわゆる交雑種=F〇(〇代雑種牛)です。
メスの乳用種ではホルスタイン種・ジャージー種が、オスの和牛では黒毛和種や褐色和種が用いられます。
交雑種は、一般的に成長が早く病気にも強いです。
霜降りになりにくい面もありますが、肉質は乳用牛よりも良い‥
体が大きい乳用種と、サシの多い和牛を交配すると肉質がちょうど良い塩梅となり、味わいのあるお肉として食されます。
‥しかし。
当然のことながら、交配を重ねるごとにもととなった牛肉の良さは失われていきます。
肉の味を求めたり、肉の良さそのものを味わいたいという方は、F₁交雑までの牛肉にとどめておいたほうが良いと思われます。
※ちなみに、和牛同士での交雑はF₁交雑種には含まれないのでご注意を
まとめ
安価で食べられる庶民の味方「国産牛」、その大半を占める乳用種・交雑種をご紹介しました。
その肉質のイメージから料理として使用するには
- 乳用種→煮込み系
- 交雑種→普段使い、万能
といったところでしょうか。
食にこだわる日本人ゆえに、それぞれの趣味趣向にあった牛肉を、どんな時でもどんな場所でも選ぶことができるというのは本当にありがたいですね。
その素材を活かす食べ方を考え、どうぞ今日も美味しい国産牛を味わいくださいませ☆
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。