みなさんこんにちは、田舎の精肉店肉処とよた略して『肉とよ』です🍖
‥として、馬肉をシリーズでお届けしております。
さて。
”馬肉”と聞いて、みなさんが思い浮かべるのはなんでしょうか?
例えば生食家に大人気の馬刺しだったり、今からの季節にぴったりの桜鍋だったり‥
”馬肉を使用した料理”だと思います。
しかし馬肉と一括りにすることなかれ。
ほかの食肉もそうであるように、馬肉にもそれぞれ部位ごとに分かれています。
今回はそんな『馬肉の部位』について解説していきます!
部位ごとの説明!
馬肉は部位により、それぞれバラエティに富んだ味や食感が楽しめます。
部位肉?副生物??‥「なんのこっちゃ?」な方は、こちら↓をご参考くださいませ☆
ざっくりと上記のように分けてみました。
それではさっそく部位ごとの紹介をしていきますね!
①ほほ
ほほ肉部分。
あっさりとした味わいの硬めの部位で、煮込み料理やチャーシューなどに利用されます。
牛肉と混ぜて、「ニューコンミート」の材料としても使われています。
②タン
舌部分。
舌先はかたいため基本的に根もと部分が食べられます。
さっくり・プリプリとした食感で、たんぱくで優しい味わいをしています。
クセもくどさもなく、甘い食べごたえ。
限りなく薄切りにして、刺し身で食べたい部位です。
③たてがみ
たてがみの生え際、真っ白な脂部分で別名「コーネ」。
コラーゲンが凝縮された部位で、おもに生食されます。
歯ざわりはぷるぷるさらり。
甘く、さわやかに口の中に溶けていきます。
美容健康に良いとされる”馬油”ですが、このたてがみのみから作られるモノはとくに高い効能が見込まれる高級品として知られています。
④カタロース
サシ(霜降り)が多い肩部分、別名「くらした」。
歯ごたえがしっかりしており、赤身と脂のバランスが絶妙です。
刺し身でも焼きでも、はたまたすき焼きでも‥食べた誰もが納得する一品!
⑤ロース
バラ肉とロースの間の上級部位。
脂肪は少なく、弾力と甘味があります。
馬刺しやすき焼き、しゃぶしゃぶはもちろん、ステーキや焼肉で食べてみても。
食べごたえがあって馬の味を楽しめます!
⑥ヒレ
赤身でやわらかく、脂肪も少ない希少部位。
馬刺しとして最高の部位で、甘さとやわらかさを同時に楽しめ、女性にも歯に自信がなくなった年配の肩にも人気があります。
ステーキなどにも利用されますが、くれぐれも焼きすぎないことをオススメします。
表面にさっと火をとおすだけで、その熱で溶けた甘い脂とやわらかい赤身がからまり合う様は「すばらしい」の一言です。。
⑦ハツ
心臓部分で、希少な部位。
牛・豚ではハツと称することが多いですが、馬の場合はストレートに「心臓」と呼ばれることもしばしば。
脂肪がほとんどなく、さらりとした身は赤身に似てさっくりとした歯ごたえをしています。
あっさりとしており、馬肉の中でもとくにたんぱくな味わい。
ハツ刺しや焼肉に利用されます。
⑧レバー
肝臓部分。
牛・豚ではモツのメイン素材ですが、馬では希少部位の1つとされています。
コリコリとした食感で、厚めに切られることが多いです。
くどさが全くといって良いほどなく、初めての人でも、レバー独特の匂いや舌ざわりが苦手な人でも抵抗なく食べられます。
⑨ホルモン
大腸や小腸などの部分。
焼肉では「ホルモン=直腸」のみを指します。
部位が部位だけに万一のことも考えて、しっかりと火をとおして食べることをオススメします。
むにむにの歯ざわり、にゅるっとした舌ざわり‥独特の食感に加え脂もたっぷり!
モツならではの豊かなコクも楽しめる味噌煮込みが絶品です。
⑩前バラ
馬体前方胸寄り部分で、肋骨周りのお肉、別名「三枚バラ」。
そっと溶ける脂と、繊細で甘いその身は、特選馬刺しや極上の握り寿司にも使われる最高級の馬肉です。
歯ごたえやわらか、舌ざわり軽やか‥食感のすばらしさに驚きます。
さすが値段も人気もナンバーワンの逸品!
焼肉では「極上カルビ・ふたえご・特選ひも」などに分かれます。
⑪ともバラ
馬体後方腰寄り部分で、別名「後バラ」。
全体的にサシは入っていますが、味はわりかしあっさりめです。
歯ごたえもしっかりとあるため、だいたいが馬刺し向き。
焼肉では「特選カルビ・カイノミ・上カルビ・厚帯・上ひも」などに分かれます。
⑫ランプ⑬天丸
ロースとモモ肉の境目あたり、脂肪が少ない赤身肉です。
筋がありますがやわらかい食感で、おもにステーキや煮込み料理などに利用されます。
⑭モモ
太もも部分。
カタロースなどに比べてやわらかく、風味がありサッパリとしています。
筋肉が発達している部位のため脂肪が少なく歯ごたえがしっかりとあります。
馬刺しとして最も多く食べられている部位です。
味わいがあっさりとしているので、濃いめに味付けてユッケなどにしても美味しい!
⑮アキレス
アキレス腱部分。
歯ごたえがあり、おでんや煮込みなどに用いられます。
低脂肪で低カロリー、噛みごたえもしっかりとあることから、犬用のペットフードとしても人気があります。
まとめ
馬肉はほかの食肉に比べて脂の融点が低く、しかも赤身の食感や甘味がしっかりとしているため、ほとんどの人が『馬肉=馬刺し』と思い浮かべるとおり、とくに生食に向いているお肉でもあります。
しかしその食感はそれぞれ違っており、味もたんぱくから濃厚までと幅広いです。
それでいてどの部位もクセもくどさもほとんどなく、噛むごとに深まる味が楽しめるお肉です。
煮込み料理に関しても、長時間の煮込まなくてもやわらかいのも嬉しいところ。
牛・豚・鶏肉に比べるとあまりなじみのない馬肉ですが、みなさんもぜひ、その味をご堪能くださいませ☆
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。