みなさんこんにちは、田舎の精肉店肉処とよた略して『肉とよ』です🍖
↑以前『食肉加工品について』肉とよ的に解説させていただきました。
食肉加工品には
- ハム類
- ベーコン
- ソーセージ
- 缶詰食肉製品
- 乾燥肉
などといった種類があります。
どれを見ても、ほどよい塩気とすぐに食べられる手軽さから、私たちの食卓や晩酌のおつまみには欠かせないものですよね。
ハム・ソーセージと続きまして、今回は『ベーコンについて』説明していこうと思います!
「ベーコン」を知る
ベーコンは、豚肉を塩漬けにしたあと燻煙、もしくは乾燥させたものを指します。
塩漬け期間は部位によってことなりますが、お肉1㎏あたりおおよそ3~4日。
その目的は、肉の色沢、風味、組織などを整え、保存性をもたせることにあります。
そのあと余分の塩をとるために水に浸し、必要に応じて肋骨や胸骨を除いて整形します。
これを軽く乾燥してから燻製をおこなうとベーコンができあがります。
ちなみに燻製することによってお肉の表面の細菌が減少し、保存中の細菌の増殖が防げます。
また、燻製の煙の成分であるアルデヒドやフェノール類がお肉に浸透し保存性がより高まり、さらによい風味をつけ、脂肪の酸化を防ぐこともできるとされています。
ベーコン(bacon)という呼び名は古ドイツ語の“bacho”、意味は“back meat(背中の肉/ロース)”と紹介されることが多いのですが、実は語源ははっきりしていません。
16世紀頃にイギリスで英語として取り入れられ、現在でもイギリスやアイルランドを筆頭にヨーロッパ諸国ではロースベーコンが主流の国が多いようです。
対して、一般的に日本でベーコンと呼ばれているものの多くは豚のバラ肉で作られています。
理由としては、北アメリカでポークベリー(腹の肉)から作られていたもの・その習慣が日本にも伝わったから、なんだとか。
バラ肉は濃厚な脂身が特徴的な豚肉の部位で、脂肪と赤身が三層に折り重なっていることから”三枚肉”とも呼ばれています。
逆にいえば、脂身が多いため加熱をしないで食べると口の中がギトギトになってしまいます。
薄切りベーコンをカリカリに焼いたもの、バーベキューなどで見かける厚切りベーコン‥
日本のベーコンは加熱していただきましょう☆
ベーコンの種類と使用部位
世界的に見ると使用する豚肉の部位は背中(ロース)と腹(バラ肉)が多いです。
そのほかにも、最近の日本では
- ショルダーベーコン
- ミドルベーコン
- サイドベーコン
などといったさまざまな種類を見かけることがあります。
それぞれの部位説明は、こちらを参考にどうぞ↓
ベーコン | おもに豚バラ肉を原料としたもの |
ロースベーコン | 豚ロース肉で作ったもの |
ショルダーベーコン | 豚肩ロース肉で作ったもの |
ミドルベーコン | 豚胴肉を使ったもの |
サイドベーコン | 豚半丸枝肉(半身)を使ったもの |
上記を見てもらえばわかるのですが、ハムに使用するモモ肉は使わない傾向にあります。
日本でも、ハムにモモではなくロースを使うことの方が多いですが、かといって”モモベーコン”は見かけませんよね。
豚ロース肉や豚肩ロース肉は、豚バラ肉に比べて脂身は少なくヘルシーなのが特徴です。
それゆえ、ロースベーコンは肉質が柔らかく適度な脂身も楽しめます。
ショルダーベーコンは、脂肪自体は少ないのですが赤身の中に脂肪が混ざってコクがあり、濃厚な旨味がたまりません。
コレもベーコン!
ベーコンの定義を辞書などで調べると『豚肉』であることが書かれていますが、もちろん豚肉以外で作られた“ベーコン”もたくさんあります。
エルク・シカ・マトン肉を使ったものやアヒル肉を使った”ダックベーコン”、七面鳥を使った”ターキーベーコン”などなど。
日本にも、くじら肉の畝(うね)の部分を用いて塩漬、湯煮、燻製した日本特有の加工品”くじらベーコン”がありますね。
宗教上の理由で豚肉を食べられないイスラム教圏ではとくに、豚肉以外のベーコン文化が発達しているようです。
また、ベジタリアンやヴィーガンの方・健康を考えている方向けに肉以外を原料としたベーコンも作られています。
大豆たんぱく質を使って作った”ソイミート”をはじめ、ココナッツやナス・キノコなどを燻製もしくはオーブンで焼き上げたものもベーコンと呼ばれているんだとか。
さすがにこのあたりになるとベーコンの定義が分からなくなってきますが‥
まとめ
ハムやウィンナーとならんで家庭料理でも外食でもよく見かける食肉加工品、ベーコン。
”豚肉”、その定義に限らず世界にはさまざまな種類のベーコンがあります。
さらにそのほどよい塩気と旨味で、料理にも幅広く使えますよね。
朝食にそのまま焼いたりベーコンエッグにして食べるのはもちろんのこと、ベーコンバーガーやサンドイッチなどのランチメニュー、ディナーにはカルボナーラにナポリタン‥
スープの具材としても重宝‥1日中大活躍です!
よく見かけるバラ肉以外のベーコンも、みなさんもぜひ、お試しください☆
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。