みなさんこんにちは、田舎の精肉店肉処とよた略して『肉とよ』です🍖
今回の記事は↑こちらの補足!
世界的に見ても、日本の銘柄牛はその品質の良さから高級とされています。
和牛の場合には、とくに「銘柄和牛」とも呼ばれます。
【 銘 柄 牛 の 例 】 | |||
銘柄和牛 | 黒毛和種 | 松阪牛 | 三重県 |
神戸牛(神戸ビーフ) | 兵庫県 | ||
近江牛 | 滋賀県 | ||
米沢牛 | 山形県 | ||
前沢牛 | 岩手県 | ||
褐色和種 | 熊本あか牛 | 熊本県 | |
土佐あか牛 | 高知県 | ||
日本短角種 | たんかく和牛 | 岩手県 | |
八甲田牛 | 青森県 | ||
無角和種 | 無角和牛 | 山口県 | |
銘柄牛 | 乳用種 | 白川牛 | 福島県 |
那須高原牛 | 栃木県 | ||
鳥取牛 | 鳥取県 |
300種を超えるそれらの中から、誰もが認める”老舗銘柄”5種について肉とよ的に解説していこうと思います!
”高級銘柄牛”を知る
- 松阪牛(三重県松阪市周辺)
- 神戸牛(兵庫県)
- 近江牛(滋賀県)
- 米沢牛(山形県)
- 前沢牛(岩手県)
これらの種類は、銘柄和牛のなかでもとりわけ知名度の高い”老舗銘柄”です。
松阪牛
役牛(えきぎゅう、農耕・運搬用の牛)として飼育していた但馬牛を出荷したことが松阪牛のはじまりです。
1935年開催の全国肉用畜産博覧会で最高位の名誉賞に輝いたことから人気に火がつきました。
松阪牛は、三重県松阪食肉公社にて松阪牛個体識別管理システムの対象地域(三重県松阪市の22の市町村)で肥育された黒毛和種、その未経産雌牛にのみ認定されます。
松阪牛には「松阪牛シール」が貼られ、特産・A5・A4といった品質規格が記載されます。
なかでも「特産松阪牛」は但馬牛のメスを900日以上かけて肥育された、”これぞ、松阪牛!!”といえる品質なんだとか。
そういえば。
肉とよがオープンしたとき、目玉商品として”松阪牛のモモバラ切り落とし”を100g333円という破格の値段で大盤振る舞いしました☆
神戸牛(神戸ビーフ)
兵庫県で生産された但馬牛のなかで、神戸肉流通推進協議会の登録会員が圏内で飼養管理し、圏内の食肉センターへ出荷した生後28~60ヶ月の未経産牛 または去勢牛で、霜降りのB.M.S(ビーフマーベリングスタンダード)が№6以上・歩留等級がAまたはB・枝肉重量が470㎏以下のものが神戸ビーフとして認定されます。
その枝肉には”のじぎく”の紋章が刻印され、年間で認定を受ける頭数は3000頭程度しかありません。
神戸ビーフは兵庫県食肉事業協同組合連合会が商標登録を行い、神戸肉流通推進協議会が管理を行っています。
神戸ビーフの生体である但馬牛は、もともとは兵庫県但馬地方で農作業要に飼育されており、昔から食用としても利用されていました。
本格的に食用として飼育されだしたのは、1868年の神戸港開港のとき。
西洋文化が押し寄せたその地で、イギリス人が食べたことからはじまりました。
その後、横浜に渡った但馬牛を駐留していた外国人が食べ「神戸から来た牛」という意味で神戸ビーフとして定着しました。
そんな経緯からか、Kobe Beef は世界的にも知名度の高い和牛ブランドとなっています。
BMS‥枝肉の断面から確認できる霜降りの度合いのこと
歩留(ぶどまり)‥食べられる部分がどれくらい多いかを示す言葉
日本食肉格付協会より引用
近江牛
原産地が滋賀県産の黒毛和種で、滋賀県でもっとも長く肥育された雌牛または去勢牛。
さらに2005年にその定義が統一されることとなり、”「近江牛」生産・流通推進委員会”にて
- 構成団体の会員が生産していること
- 滋賀食肉センターか東京都立芝浦と畜場でと畜・格付けされていること
- 等級がB4~B5またはA4~A5であること
などが要件となりました。
近江牛は滋賀県食肉事業協同組合連合を筆頭とする4団体が商標登録をしています。
近江牛には400年もの歴史があるとされ、1590年に豊臣秀吉が小田原城に攻め入ったとき、高山右近や蒲生氏郷と細川忠興らに振る舞ったという話や、彦根藩が養生薬として味噌漬けや乾燥牛肉を考案し将軍に献上したという話も、史実として残されています。
明治時代になると、牛肉食の解禁とともに横浜や東京への出荷も開始され、全国へと普及していきました。
米沢牛
山形県置賜の3市5町に居住の米沢牛銘柄推進協議会認定の生産者が、18ヶ月以上継続飼育した黒毛和種の未経産雌牛または去勢牛であることが基本としています。
さらに生後35ヶ月以上で肉質等級が3等級以上の枝肉のみに認定されます。
米沢牛は山形おきたま農業協同組合が商標登録をしています。
はじまりは、1771年に藩主 上杉鷹山により開かれた興譲館(こうじょうかん・現在の山形県立米沢興譲館高等学校)で教師を勤めていたチャールス・ヘンリー・ダグラスが、当時食用としていなかった牛肉を故郷を想い食べたことに端を発します。
その後、就任を終えて横浜に1頭連れ帰り、知人らに振る舞って知られることとなります。
前沢牛
岩手県奥州市前沢区居住の生産者が1年以上肥育した黒毛和種で、出生地が確認できて牛トレーサビリティ法を守っていて、肉質等級が4以上・歩留等級がAまたはBの枝肉に認定されます。
前沢牛は岩手ふるさと農業協同組合が商標登録をしており、すべてがここを経由して販売されています。
そもそもは役牛として利用していたものを出荷したのがはじまり。
1969年ごろは「岩手のガリ牛」と酷評されていましたが、地域ぐるみで品種改良を行った結果、10年後の東京食肉市場では枝肉販売価格日本一を実現。
さらに、1980年代には全国肉用牛枝肉共励会で名誉賞に輝くなどして、その名が広まったのです。
まとめ
日本はもちろん、世界でも有名な老舗和牛。
その定義と歴史について簡単に解説していきました。
楽天やアマゾンでも「一度は食べたいブランド牛!」として取り上げられ、その食べ比べセットも多数ありますね。
肉とよは山口県にありますので、基本的には九州の銘柄牛をおもに取り扱っているのですが、開店当初の目玉として松阪牛を1頭買いして販売したときのお客さまの反応は‥一言でいって『スゴイ』でした。
普段食べることがない高級牛を手頃な値段で買える!とあれば、さすがおいしいモノには目がない日本人、といった具合の連日のお客さまの入り。
それほどまでに私たちの心をわしづかみする高級和牛を、その歴史とともにみなさんもぜひご堪能くださいませ。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。