みなさんこんにちは、田舎の精肉店肉処とよた略して『肉とよ』です🍖
私たち人間は日々食事をしています。
これは、食事をすることで生命の維持をするとともに「美味しいものを食べる」という喜びにもつながっています。
お肉に限らず、私たちの口に入る食べ物は生産から小売りの段階まで徹底的な衛生管理がなされています。
そこで、【食肉を知る】と題しまして『食肉の安心・安全への取り組み』について肉とよ的にシリーズ解説!
今回はその第1弾。
『食肉の安全を守るしくみ』をおさらいしていきます。
From farm to table
食品の安全を守るために「From farm to table」という考え方があります。
もちろん食肉に関しても例外ではありません。
流通におけるそれぞれの段階で、さまざまな法令や関係者の努力により、食肉の安全を守るしくみができています。
生産から出荷までを【生体】とし、農林水産省が管轄しています。
STEP①生体 | |
生産者 |
家畜伝染病予防法 動物用医薬品の使用の規制に関する省令 飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律 |
都道府県畜産主務課 | |
家畜保健衛生所 | |
農林水産省肥飼料検査所 | |
農林水産省動物医療品検査所 |
【食肉の処理、卸売り・小売り】については厚生労働省の管轄。
STEP②食肉処理施設 | |
と畜場 |
と畜場法 食品衛生法 |
食肉センター | |
都道府県・市 食肉衛生検査所 |
STEP③卸売り・小売り | |
食肉卸売業者・市場 | JAS法(品質表示法)
食肉の表示に関する公正競争規約 食肉小売品質基準 食品衛生法 |
食肉加工業者 | |
飲食店・ホテル | |
量販店・専門小売店 | |
都道府県・市 保健所 |
これらを経て、STEP④家庭私たち消費者へと食肉が届きます。
私たち消費者には管轄などはありませんので、保存や衛生面において”自らで守る”ことが重要です。
信頼の上に成り立つ安全・安心
産業の発展にともない流通経路の発達した現代において、農作物を自分の手でつくらなくてもさまざまな食材を簡単に手に入れることができるようになりました。
都市部と農村部はとくに”近くて遠い存在”といっても良いくらい、消費者は食肉・野菜・魚などの生産現場を近くに感じることはむずかしいように思います。
いつでも必要なものを購入できるという便利さを維持するためには、消費者は「流通の仕組み」を信頼するほかありません。
しかし、これまでに幾度となく消費者の信頼をゆるがすような事件が起きてきました。
食肉についていえば、繰り返し起こる食中毒の発生や偽装事件などがあげられます。
牛の偽装詐欺事件”BSE問題”を発端に、こうした問題が起きるたびに消費者との信頼関係が崩れていきました。
流通サイドもさまざまな対策をとってはいますが、1度失った信頼はそう簡単には取り戻せるものではありません。
安全性の土台の上に成り立つ「安心」は、感情の問題であるためにむずかしい面も多いです。
それだけに、消費者の信頼を損ねるような事故は起こすべきではないし、安全性を維持することは生産者・流通業者の責務でもあります。
消費者サイドも「なにかよく分からないけどこわい」という漠然とした不安感情だけに左右されるのではなく、正しい知識をもつことも重要なんですね。
生産現場から小売までをつなぐ
生産・加工・流通でも、安全な食肉を届けるためにさまざまな取り組みがなされています。
国内でのBSE発生の2001年以降、牛でいえば「トレーサビリティシステム」が確立しています。
【トレーサビリティ】
食用肉となる家畜の生産現場での飼養管理から、と畜・カット・加工・流通に至るまで、①どの段階で②誰によって③どのようなことが起きたのかがさかのぼれるシステムのこと。
すべての牛は個体識別番号で登録され、”どのように移動したのか”や”どのような薬品を使用したか”、”どこでと畜されたか”など、すべてがわかるようになっています。
- 生産=家畜を育てて出荷する
- 流通=出荷された肉をと畜して小売店に並べる
というように、これまでは役割が完全に分かれていました。
今後は安心・安全のバトンを次々と渡していくような、生産現場から小売りまでをつなぐ取り組みが重要性を増していくことになるでしょう。
まとめ
食肉を知る、今回は「安全を守るしくみ」について解説させていただきました。
消費者である私たちには、何がどこの管轄で‥だったりは実際には関係ないかもしれません。
しかし食中毒や産地偽装などの問題が起こって、「なんとなく怖いから避けよう」というのはナンセンスです。
何よりも怖いのは、それについて無知であること。
せっかく調べれば何でもすぐに知ることのできる時代です。
この記事が、それとなしに少しでも知識を深めるお手伝いができたのなら幸いです。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。